ノルウェージャンフォレストキャット

 

◆原産国 ノルウェー

◆大きさ
体高:約40cm、体重:オス:4.5kg~7.0kg メス:3.5kg~5.5kg

◆特徴
猫の中ではサイズが大きく、がっしりとした筋肉質な体格と、美しい豊かなセミロングの毛の持ち主です。
ノルウェー生まれで、その厳しい寒さに耐えられるように毛は長く密集しているのが特徴的です。
体が大きいので、成長が他の猫よりも遅く、成猫になるまで3~5年ほどかけてゆっくり成長します。
運動能力が高いので、木など高いところに登ることが得意です。

◆性格
見た目は大きくたくましい印象がありますが、とても穏やかで、優しい性格をしています。
フレンドリーな性格でもあるので、飼い主や他の動物ともコミュニケーションをとるのが上手で、
初めて猫を飼う人にも飼いやすいと言われています。

◆毛色
毛色は多彩です。ホワイト、ブラック、ブルー、レッドなどです。
縞模様だと、ブラウン、シルバー、レッド、クリームなど様々な組み合わせがあり、柄のあらわれ方も様々です。

◆獣医からのヒトコト
【注意して欲しい病気】
①肥大型心筋症
猫に多い心臓病のひとつで、遺伝的に発症し、心臓の筋肉が機能しなくなっていく病気です。
心筋症のなかで一番多いのが肥大型で心筋が変性し厚くなってきます。
この病気を発症し、心筋の機能不全により、左心房という心臓のお部屋が大きくなってくると、
中で血栓ができ、その血栓が流れて足の動脈に詰まる大動脈血栓症を発症することがあります。
肥大型心筋症は雑音があらわれないことも多いため発見されず、突然、大動脈血栓塞栓症を発症し
亡くなってしまうことも多いです。
後ろ足を痛がったり、起き上がることができずに苦しそうにするなどの症状が現れた場合は、
様子を見ずに診察を受けて下さい。
また、血栓ができる前に心筋症を見つけることで血栓症の発症を予防したり、
心臓の機能を薬で補うことができるので早期発見が大切です。
発見しづらい病気ではありますが、血液検査で心臓のバイオマーカーを測ることで
心筋症を発見できる可能性がありますので、健康診断の際には少し踏み込んで検査をしてみてくださいね。

②毛球症
長毛種のため、ブラッシングを怠るとすぐに毛玉になってしまいます。
毛玉と聞くと可愛く聞こえてしまうかもしれませんが、皮膚の上に鎧のように固くなった毛の塊が
びっしりついてしまっているねこちゃんもよくいらっしゃいますので注意が必要です。
また、毛づくろいで毛を大量に飲みやすい傾向にあるので、胃にたまった毛玉を吐こうとして嘔吐が続いたり、
毛玉が腸に下ってしまい、消化管の動きを阻害し食欲がなくなったり、
重症になると腸閉塞を引き起こすこともあります。
腸閉塞になってしまうと開腹手術が必要になることもありますので、
日々のブラッシングを怠らず、フードも毛玉対策用のものを与えるなど、
毛球症にならないよう気を付けてあげて下さいね。

③糖尿病
糖尿病は人間の病気だと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ねこちゃんでもよく診る病気です。
血糖値を下げるホルモンであるインスリンの作用が低下し、体に糖を取り込めなくなる病気です。
遺伝や膵炎、ステロイドの投与などが原因となる場合もありますが、ねこちゃんは人間と同様に肥満などの
生活習慣によって発症することが知られています。水をたくさん飲む、
食欲はあるのに体重が減るなどの症状がみられます。
糖尿病の治療は、基本的にはインスリンを注射して血糖値をコントロールすることで行いますが、
減量によってインスリンが必要なくなるねこちゃんもいます。
ノルウェージャンフォレストキャットは元々、運動しないと肥満になりやすいという体質もありますので、
子猫のうちから栄養バランスの取れた食事と適度な運動を習慣にし、体重管理をしましょう。

◆お手入れ
長毛種で美しく長い体毛が魅力のひとつですが、毛玉ができやすいのでこまめなブラッシングと
定期的なシャンプーが必要です。
できれば毎日ブラッシングしてあげられるといいですね。換毛期はとくに念入りにしてあげましょう。

◆ヒトコト
ノルウェージャンフォレストキャットはその名の通り、ノルウェー生まれで森を駆け巡り狩りをしていたそうです。
「森林の猫」や「森の妖精」など呼ばれることもあり、北欧神話に登場するほど古い歴史を持ったねこちゃんです。
北欧の寒い地域生まれのため、暑さに弱く、日本の高温多湿な夏は、熱中症になりやすいので、
温度管理はしっかりするようにしましょう。

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