<愛犬・愛猫とずっと一緒に楽しく暮らすための豆知識 52>     今回のテーマは「ウイルスと細菌」です

こんにちは。
いぬねこさぷりドクターです。

もくじ
1.ウイルスと細菌の違いは

2. ウイルス性疾患でも抗生剤を使う?

3.ワクチンとは?

4.最後に

2021年明けましておめでとうございます。
新年早々から緊急事態宣言などコロナウイルスが猛威をふるっていますが、
今年こそはぜひ終息宣言がでる年にしたいものですね。
さて、新年1回目のコラムとなりますが、ウイルスがこんなにも話題になるのは
今年だけと思い、ウイルスと細菌の話をとりあげてみようと思います。

ウイルスと細菌の違いは?
今の状況になってから巷では、抗菌!と書かれているものがあふれています。
この抗菌がくせもので、抗菌というのは細菌をやっつける効果がありますということで
ウイルスをやっつけるわけではありません。
ただし、新型コロナウイルスは基本的には
この抗菌作用をもつもので簡単にやっつけられてしまいます。
それは、コロナウイルス自体が破壊、無力化しやすい構造を持っているからです。
この無力化しやすいというのが本当に不幸中の幸いだと思いますが、
全てのウイルスがやっつけやすい構造を持っているわけではないことを知っておいてもらえたらと思います。
例えばノロウイルスなどはコロナウイルスのように簡単に無力化することはできず、
次亜塩素酸など少し強い消毒薬が必要なので要注意です!
ぜひそういった場合は病院に診察にきてくださいね。

 ウイルス性疾患でも抗生剤を使う?
ワンちゃん、ネコちゃんでよく見るウイルス性の病気として、ケンネルコフや
ヘルペスウイルス性鼻炎や結膜炎などがありますが、これらの病気はウイルスが
主たる原因なので基本的には抗生剤で治すことはできません。
抗ウイルス薬も一部のウイルスで存在するのですが、軽症であれば基本的には
自分の免疫力でウイルスを排除もしくは抑え込んでもらう必要があります。
そのため、人間だとウイルス性の病気を疑う場合、抗生剤を使わないこともありますが、
動物さんの場合、二次感染を抑える目的で抗生剤を使うのが一般的です。
これは弱っているところにさらに細菌が悪さをするのを抑えて、ウイルスに
打ち勝ちやすい状況をつくってあげることを目的としています。

ワクチンとは?
上記で触れたように、ウイルス性疾患は基本的には薬を使ってやっつけることがしづらい病気です。
ですので、良く聞く混合ワクチンというものは、このウイルス性の疾患にかからないようにしたり、
かかっても自分で抵抗できるように抗体を育てることを目的に接種しています。
そう思うとワクチン意義がわかりやすいでしょうか?
3年間抗体価がもつであろうとされているものから、1年で再接種しないといけないものまで
様々あるので、打つのが面倒だな、怖いし打ちたくないという方もいらっしゃると思いますが、
獣医さんにその気持ちも含めて相談してもらえたらなと思います。
打たない選択肢として、抗体価検査を提案したり、打たないかわりにどういう生活を
おくるべきか、リスクの話など色々お話しできることがあると思います。

最後に
ウイルスと強制的にお付き合いをしていかないといけない時代。
嫌なものですが、この機会にもっとウイルスについて知ってもらえたらと思います!

 

※イラストはイメージです

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