<愛犬とずっと一緒に楽しく暮らすための豆知識 23>
今回のテーマは「そのお水!飲みすぎ?加齢と共に気を付けてほしい病気?(獣医の目線編)」です

こんにちは。
いぬさぷりドクターです。

もくじ
1.お水をよく飲むって??

2.慢性腎不全
3.副腎機能亢進症(クッシング症候群)

4.まとめ

いぬさぷりドクター

すっかり春になり、お花見やお出かけが楽しい季節になりましたね。
今年は桜が去年よりだいぶ早く咲いてしまい、今一歩、入学式には満開とは
いかず少し残念でしたが、新入生たちの期待と緊張の入り混じったような顔を
見ていると4月がきたことを実感します。
さて、今回は病気シリーズ第3弾として、特徴的な症状があらわれる病気を
とりあげたいと思います。

お水をよく飲む?

病院でお話しを聞いていると「お水をたくさん飲むのは良いことだと思っていました」と
言われることがよくあります。逆に、お水を飲まないことを悩んでいらっしゃる方にも
相談を受けます。
でも、お歳とともにお水の量が増えてきたのであれば、それは病気のサインかも
しれません。

慢性腎不全

血液検査をうけられたときに「腎臓の数値は大丈夫です」と
言われたことはないでしょうか?
健康診断や麻酔前の検査で腎臓の数値は必ず検査します。
ただ、腎臓の数値には、腎臓が70%ほど機能不全にならないと
正常値をオーバーしないという特徴があります。
ですから、数値が大丈夫でも水面下で徐々に腎臓が悪くなってきている
隠れ慢性腎不全というパターンがあるのです。
そういったときに早く腎臓の不調に気づいてあげられるかもしれないひとつの
指標がお水を飲む量とおしっこの量なのです。
数値が正常範囲でも、腎臓が悪くなっているとおしっこを濃縮する能力
(黄色いおしっこをつくる能力)が落ちてきて、
薄いおしっこをたくさんする→喉が渇く→お水をよく飲むという症状がでてきます。

 

副腎機能亢進症(クッシング症候群)

もうひとつ、お水をよく飲むという症状を出しやすいのがこの病気です。
シニアの子に多い病気で、体の中でつくられているステロイドホルモンが過剰に
でる病気です。
お薬としてステロイドを飲んだ時に同じように、お水やおしっこの量だけではなく、
お腹がボテッとしてきたり、筋肉がやせて足腰が弱ってきたり、
食欲が増して太ってしまったりといった症状や、今まであまり起きなかったような
膀胱炎や皮膚炎になったりすることもあります。
食欲があるのは良いことに思えますし、足腰が弱ってくるのも年のせいかな?
と思ってしまいがちなので気づきにくい病気かもしれませんね。

水飲みすぎ

まとめ

獣医目線でお話しを聞いていると、年のせいかな?の中に実は病気のサインが
隠れていることをよく経験します。
春は健康でも予防で病院に行く機会が増えるシーズンです。
ちょっとしたことでも前と違うなということがあれば、獣医や看護師に
気軽にお話ししてみてくださいね!

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